みなさんこんにちはケーエーです!
今ケーエーは毎年全米で行われるアスレチックトレーナーの学会に来ていて、そこでいくつかのセミナーに参加しています。
そのなかでアスリートとドラッグ(薬物)について、とても興味深い話が聞けました。
それに加え、数日前にツイッター内でADHD(注意欠如・多動性障害)の事が話題になっていたので、
今日は現役チームトレーナーの自分が、ADHDとアメリカの若いアスリートとの関係についても書いていきたいと思います!
目次
大麻(マリファナ)とアメリカ

みなさんは大麻(マリファナ)にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「違法」、「麻薬」、「体に悪い」などといったところでしょうか?
どちらかと言えばネガティブな印象が強いと思います。
この大麻(マリファナ)、日本では違法ですが、
最近ではアメリカを筆頭に、世界で規制緩和の波が押し寄せてきています。
米国で初めて嗜好用大麻を解禁したコロラド州では2015年、大麻の税金と大麻ライセンス料による税収は、州発表のデータによると、
・2014年、67M$(約70億円)
・2015年、130M$(約150億円)
・2016年、190M$(約200億円)
・2017年、247M$(約250億円)を計上しましたhttps://t.co/vKRgxNztKM
— ベンチャーのひよこ (@go_director) June 22, 2018
ブロガーの「イケハヤ」ことイケダハヤトさんもブログに書き記しています。
アメリカ在住の自分としてはこの現状を日本の人にももっと知ってもらいたい。大麻で税収が増えたコロラドでは州の公務員の給料も上がって州の教育(学校や図書館)などに重点的にこの税収が当てられてる。他の州よりも子供がいい教育を受けられる。親としてそれでも大麻反対でコロラド州を避けますか? https://t.co/vvirkwLFo9
— KA74 ケーエー(スポーツトレーナーの仮想通貨ブログ) (@akoh47217) June 23, 2018
アメリカではコロラド州が2012年に住民投票で多数票を獲得して、アメリカ合衆国で初めて大麻(マリファナ)のレクリエーショナルでの使用を認めました。
そして2014年に実際に合法化、販売へと至りました。
上のツイートからもわかるように、コロラド州は大麻(マリファナ)から多くの税収を得ています。
今現在アメリカでは9つの州で、レクリエーショナルでの大麻(マリファナ)が売り買いできて、30の州で医療用での使用が許されています。

緑がレクリエーショナルでの使用が認められている州で、薄い青が医療用で合法の州です。
日本で大麻(マリファナ)というと、酔ったような感じの(ハイ)になったりする効能ばかりが注目されますが、
実はマリファナには大きく分けて二つの物質(効能)があります。
一つは日本人が大麻というと最初に想像するハイになる物質であるTHC、
そしてローションやオイルなどに使われるCBDという物質です。
CBDにはTHCのようなハイになる成分がほとんどありません。
CBDを使ったローションやオイルなどの製品はアメリカのほとんどの州で購入可能。
日本でもCBDが入っている商品を所持していても捕まることはありません。
因みにCBDを使ったブランド製品を販売している有名人もいます!

日本では「天使にラブソングを」でおなじみの、ウーピーゴールドバーグさんもCBDを使った製品のブランドを立ち上げています。

大麻(マリファナ)のアメリカでの現状はこれくらいにして、次にアスリートとの関係性を見ていきましょう。
大麻(マリファナ)とアスリート
アメリカでは現在9つの州で合法的に大麻(マリファナ)を吸ったり、摂取することが可能です。
しかしスポーツの世界では禁止薬物の一つとして、ほとんどの組織や団体で禁止されています。

NCAA(全米大学体育協会)、NASCAR(ナスカー)、MLB(メジャーリーグ)、NBA(プロバスケ)、PGA Tour(ゴルフ)、NFL(プロアメフト)、CrossFit Game(クロスフィット)などなどで摂取を禁止されていて、医療用での使用も禁止されています。
ただし団体によって摂取量の規制とその後の罰則が少し違います。

NCAA(全米大学体育協会)のドラッグテストでのマリファナ摂取量上限は15ng/mlで、MLB(メジャーリーグ)と同じですが、
陽性だった時の罰則が異なります。
全米大学体育協会は翌年のシーズンの半分の試合に出場できないのにくらべ、
メジャーでは一度目陽性と診断された場合は、トリートメントプログラムを受講して、
再テストのみで試合の出場制限は受けません。
更にもし同じ選手が2度目のマリファナの陽性をくらったら、全米大学体育協会では選手としての1年間のプレー期間をはく奪します。
メジャーでは50試合の出場停止処分です。
ゴルフのPGAツアーとNFL(プロアメフトリーグ)では、この摂取上限量が緩めに設定されています。

ゴルフの方の上限摂取量は150ng/ml、
そしてアメフトの方は35ng/mlとなっています。
上記からわかるように別に大麻(マリファナ)を摂取していたからといって、一発で選手生命が終わるわけではありません。
しかしリスクではありますし、世間からの目も厳しいものとなるでしょう。
これらのリスクを負いながらも、大麻(マリファナ)を吸うアスリートはたくさんいます。
次はリスクを冒してまで、アスリートが大麻(マリファナ)を吸う理由を、見ていきます。
アスリートと大麻(マリファナ)の現状 (エリートレベル)
多くのアスリートの大麻を吸いたい理由の一つがハイになりたいからです。
ハイになって気持ちよくなりたいからですが、それは主に大学やアマレベルでの話です。
プロのレベルになると周りやメディアからのプレッシャーが物凄いので、そのプレッシャーで寝れないことも出てきます。
それの対処手段として大麻(マリファナ)を使う選手が結構多いです。
実際にセミナー後の質問タイムで、現役のプロアメフトチームで働いているアスレチックトレーナーが、
寝つきをよくするために大麻(マリファナ)を摂取するプロ選手が多いことを話していました。
その質問をした彼によれば、NFLの規定数値である35ng/ml以下の量であるならば、摂取を許可しているとのことでした。
ただ使用する期間が長くなればなるほど、マリファナに頼ってしまう。
つまり依存度が高くなる気がすると話していました。
これはマリファナに限らず、睡眠薬だったり、就寝前に寝れないからと強めのお酒を飲むのにも似ています。
一度そういった習慣がついてしまうと、なかなかそれから抜け出せないのです。
アスリートと大麻(マリファナ)の現状(アマチュアレベル)
では実際にアマレベルだと、どれくらいの選手がマリファナを吸っているのでしょうか?
これは自分が過去に働いていた大学のアメフトチームでの話ですが、
コーチの要請で抜き打ちドラッグテストを行った結果、
10人中8人の選手からマリファナの陽性反応がでました。
8割の選手が大麻(マリファナ)を摂取していたという事です。
ちなみに自分が働いていた州は、上記のマリファナが合法化されていない(レクリエーショナルでも医療でも)州です。
あなたはこの数字を聞いて、どう思いますか?
正直この数字にあまり驚かなかった自分がいます(笑)
だいたいどこのチームもこんなもんだろうという感じです。
他のチームのアスレチックトレーナーと話していても、似たようなことを言っていたので、感覚がバカになっているのかもしれません(^^;
このドラッグテストは全米体育協会によって実施されたものではなく、アメフト部のコーチによって指示されて行われたものであったため、
上記の全米体育協会の罰則は受けずに、コーチが選手にペナルティーを与えただけで事なきを得ましたが(^^;
スポーツにもよりますがアメリカでは大麻(マリファナ)が合法の州であろうとなかろうと、大抵のアスリートが常時ではないにしろ大麻を吸っていることが多いです。
アスリートとADHD(アメリカ)
数日前に仮想通貨界隈のツイッターがADHD(注意欠如・多動性障害)の事で盛り上がりました。
キッカケはこのツイートだと思います。
鍵を持って家を出ようとする時の
通常の人の脳内と、ADHDの人の脳内
(私比較)薬を久々に飲んだら脳が閑散としてるけどうるささがこのくらい違う pic.twitter.com/p4osyLTn26
— ココ・コインちゃん#Voicy (@cococoin_chan) June 27, 2018
このツイートが反響を呼んで、様々な人がADHDについてツイートしていました。
現役のお医者様であるBJ先生も
ADHDの注意欠陥型(女性に多い)だな
内服するかしないかはちゃんと診断出来る医療機関へ行って欲しいので、これ見て「自分もADHD!」って自称で止まるのは辞めよう(めちゃくちゃ多い)。 https://t.co/kVxjkd9ihC— BLACK🦍JACK[TRX教団×M一門] (@BJ_TRON) June 27, 2018
これらのツイートは自分にとっても他人事ではないと感じました。
なぜならアメリカのアスリートにもADHDの人はたくさんいるからです。
ただここが問題なのですが…
誤解を恐れずに言えば、「この人は本当にADHDなのかな」?と疑いたくなるくなるレベルの人もたくさんいます。
ADHDとAdderall (アンフェタミン)
アメリカではADHD(注意欠如・多動性障害)と診断された場合、処方される薬はAdderallという薬で、
日本ではアンフェタミンと呼ばれるものです。
このアンフェタミン、
法律上覚せい剤に認定されていて日本での所持、使用が禁止されています。
アメリカはADHD=Adderallを処方というぐらいAdderallが多いです。つまりアンフェタミンです。いま調べたら日本では法律上の覚醒剤に指定されてるみたいですw 本当に所変わればですね^^;
— KA74 ケーエー(スポーツトレーナーの仮想通貨ブログ) (@akoh47217) June 28, 2018
アメリカではこのAdderall欲しさに、本当にADHDか疑わしい人がお医者さんからADHDの診断を受けて、この薬を処方してもらうことも多々あります。
自分が以前にトレーナーとして働いていた大学の野球部では、全野球部員の約2割がADHDと診断され、Adderallを摂っていました。
正直少し多くないかと思いました。
ナルホド。前働いていた大学の野球チームでは35選手いて7人がAdderallをとってました。チーム全体の20パーセントがADHDって。うーーんって思わざる得なかったです😅すんなりADHDと診断してAdderallを処方してしまうドクターもドクターですが…色々考えさせられます。
— KA74 ケーエー(スポーツトレーナーの仮想通貨ブログ) (@akoh47217) June 28, 2018
アスレチックトレーナーはドラッグテストの時に、もし検査に選ばれた選手がAdderall(アンフェタミン)を摂っているならば、
Waiver Form (日本語だと免責同意書かな?)を提出しなければなりません。
なので普段からチーム内でどれくらいの選手がADHDと診断されていて、
アンフェタミンを摂っているかを把握しています。
35人選手がいて、7人はやはり多いなと感じました。
個人的な観察からですがこの7人の内、本当にADHDだな、もしくはAdderallを必要だなとケーエーが思ったのは3人のみです。
そして残念ながらAdderallを必要としないのに、医者から処方してもらう理由の一つが下のツイートです。
アメリカでは高校生や大学生がAdderallを摂取してパーティーでお酒を飲む、もしくはお酒の中に入れて飲むなど危ないことする奴もたくさんいます。それでERに運ばれる奴も結構いるので、アメリカではADHDにあまりいい印象を抱かない人もいます。本当にADHDで苦しんでいる人はいい迷惑だと思います😠
— KA74 ケーエー(スポーツトレーナーの仮想通貨ブログ) (@akoh47217) June 28, 2018
残念ながらこれは↑ホントです。
みんながみんなお酒に入れて、ふざけて飲むわけではないですが(^^;
なんでわかるかって?
実際にこれでER(救命病棟)に運ばれた選手にケーエー自身が付き添わなければならなかったからです。
正直怒りしかこみ上げてきませんでしたよ。
自分は久々のオフで家でのんびりしてたのに、呼び出されたんですから。
自業自得だし、本当にADHDと戦っている人への冒涜だと思いました。
Adrreallではありませんが、今アメリカではオピオイド(鎮痛剤)の乱用で、
中毒死する人が年間3万人を超えており社会問題になっています。
トランプ大統領も今年に入って、このオピオイドに関して緊急事態宣言を出しています。
ヘロインやコカインなどの禁止薬物での死因よりも、医者から処方されるオピオイド(鎮痛剤)の乱用で亡くなる人の方が、多くなっているのです。
異常な状態だと思います。
一番有名なオピオイドはオキシコドンと呼ばれるもので、痛み止めとして多くのアスリートにも処方されています。
もちろん初めはそれを痛み止めとして使うのですが、だんだん痛みがなくてもオキシコドンを取るようになる選手も出てきます。
精神安定剤みたいな感覚で摂り続けてしまうのです。
そして更によろしくないのは、オキシコドンを本来の目的(痛み止め)以外の目的で使う人もたくさんいる事です。
お酒と一緒にのんだり、パーティーでハイになりたくてお酒に混ぜたりなど(´;ω;`)
悲しいです。
正直ドクターは患者のためというよりも自分の保身や患者との関係を維持のため、痛み止めや他の抗炎症薬など処方してしまうよ。断薬症状どころか、今アメリカではアメリカ史上一番鎮痛剤での中毒死が多くなって、社会問題になっている。西洋医学が行き過ぎてそれの良くない部分が顕著になってる感じ。
— KA74 ケーエー(スポーツトレーナーの仮想通貨ブログ) (@akoh47217) June 29, 2018
まとめ
いかがだったでしょうか?
アスリートは上のレベルに行けば行くほど、常に大きいプレッシャーと戦うことになります。
メンタルが弱いと言ってしまえばそれまでですが……
そう考えると大麻(マリファナ)や、Addreallや鎮痛剤に頼りたくなる気持ちもわかるし、自分も医療従事者として簡単には「使うな」とは言えません。
ただ本来の目的以外で、それらの薬を使用する選手もたくさんいます。
これはアスリートだけでなく一般の方にも言える事だと思います。
クスリは、使う本人の意思次第で善にも悪にもなります。
本来の目的とは違う目的で使うことは、その病気やケガで苦しんでいる人への冒涜以外のなにものでもないです。
みなさんもこれを機に、クスリとの付き合い方を今一度見直してみては如何でしょうか?
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